意外と多くの Web サイトで起こりがち?! 英語・多言語展開、ここに気をつけて!

Takao Tanaka • September 13, 2024

英語版や中国語版など多言語での Web サイト運用は決して珍しいものではありません。

ですが、日本語版の Web サイトをそのまま翻訳した場合、外国語版のページで不具合が発生することがあります。

この記事では多言語版 Web サイトで起こりがちな不具合をご紹介します。

既に多言語対応されている企業様も、これから多言語版を展開する企業様も、多言語版サイトのチェック項目として参考にしてみてください。

メニューやボタン、バナーに文字が画像化されて使われている

一部の形式の除き画像に埋め込まれた文字を直接編集することは困難です。例えば日本語の文字が埋め込まれた画像をメニューに配置し、多言語版ページでも同じ画像を使用した場合、日本語が読めない外国語話者にとってはメニューが本来の機能を果たせません。どうしても画像を使いたい、ということであればテキスト部分を翻訳した画像を用意し、差し替えると良いでしょう。なお、メニューやボタンはテキスト形式であれば翻訳は容易ですので、一度ご検討ください。


トップページに日本語を多く含んだ画像や動画を使用している

トップページに文字を多く含んだ画像や動画を掲載している場合も注意が必要です。サイトを開いて最初に目にする画面に読めない言葉が並んでいたら、その人はページを読み進めるでしょうか・・・?

とは言え国内のオーディエンス向けにもトップページの画像や動画は重要な要素です。多言語対応のために手を入れるのは躊躇われるかもしれません。かと言って言語ごとにトップページの画像や動画を用意するのも大変です。その場合、「トップページだけ多言語展開用のページを作る」という対応はいかがでしょうか?トップページだけであれば制作の手間はぐっと抑えられます。


テキストの表示領域に余裕がない

翻訳した文章が元の文章より短くなるとは限りません。日本語からの翻訳では、翻訳した文章の方が長くなる場合も多くあります。特にメニューなど表示領域に制限がある箇所については、ある程度の余裕を用意しておかないとテキストの見切れ、レイアウト崩れの原因になります。

固定された文字数 (文字長) でデザインやスタイルシートを組まない、というのは大事なポイントとなります。


言語切り替えのメニューが分かりにくい

言語切り替えのメニューがページの下の方にある、どこかをクリックしないと表示されない、という場合は言語切り替えのメニューに気付いてもらえないかもしれません。せっかく多言語版のページを用意するのであれば言語切り替えのメニューは分かりやすい場所に配置しましょう。



日本語のフォント設定がそのまま適用されている

各言語に適したフォント、文字の大きさ、文字間や行間を設定しましょう。中国語フォントが適用されている日本語サイトを見た時の印象、あれが御社のサイトで再現されていませんか?

ちなみに、翻訳プロキシのようなサービスを使えば、現状のサイトを多言語化した時にどう見えるのか、どう動くのかを簡単に確認できます。翻訳される箇所、されない箇所、レイアウトが崩れる箇所などが一目で分かるので、ぜひご検討ください。



価格の表記が正しくない

通貨の表記だけを差し替えると「1,000円」=>「$1,000」のように誤った価格になってしまいます。日本円での表記にするのか、翻訳対象言語の通貨に置き換えるのか、事前に検討して方針を決めておく必要があります。


日付、時間の表記が紛らわしい

例えば日付の場合、「4/1」が4月1日を意味する国もあれば、1月4日を指す国もあります。

なるべく省略せず月と日が明確に分かる形での表記が理想的です。


JavaScriptを使ってページの遷移をしている

JavaScriptの中にリンク情報や翻訳すべき情報が埋め込まれていると多言語対応の際に追加の手間がかかることがあります。デザインや動きはもちろん重要な要素ですが、副作用がないか、その副作用を解決するために追加の手間や費用が発生しないかを検討する必要があります。


多言語版に日本語の内容が混在している

多言語版のページに日本語の内容が混在していると、正しく管理されていない、放置されているように見えてしまいます。ちょうど今、翻訳作業を進めているところかもしれませんが、ページを見ているユーザーには分かりません。そのような箇所がないかご確認ください。


日本語版は最新なのに多言語版は古いまま

多言語版のトップページに表示されているニュース、数年前の日付になっていませんか?多言語版のページが更新されず放置されている、コンテンツ量が極端に少ない、という状況は閲覧者にマイナスの印象を与えてしまいます。

多言語版サイトの運用は負荷の大きい作業です。言語数が増えれば増えるほど、管理の負荷も大きくなります。更新を持続できる制作体制、または自動化の選択肢を検討してみてください。



多言語版 Web サイトを運用する時に起こりがちな不具合、注意点をまとめてみました。

該当する項目はあったでしょうか?

1つも該当しない、という場合は素晴らしい運用をされています!

ぜひそのままの運用を継続してください。


もし幾つか該当する項目があった場合は対策をご検討ください。

当社でご提供している Cistate Translation Proxy は公開されているホームページから直接情報を取得し、自動的に多言語サイトを構築、運用するソリューションです。URLのみで多言語版サイトの立ち上げができますので、自動化の選択肢をお探しでしたらぜひご検討ください。


お問い合わせ

sales@cistate.com

03-6878-5788

担当: 田中

By Hideo Yanagi January 6, 2025
株式会社システートソリューションズ代表取締役の柳英夫です。 旧年中は、格別のご支援とご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。 訪日外国人客数は 3,500 万人を超え、各業界で海外向けの情報発信やサービスの多言語化ニーズが急速に高まっております。当社はこれまで AI 翻訳の SIer(システムインテグレーター)として、AI 翻訳の最新技術を企業様の業務システム・業務プロセスに組み込むソリューションの企画・設計・開発・導入・運用をお手伝いしてまいりました。その中でも、Web サイトの即時多言語化を実現するソリューションは、多くの企業様から評価いただくことができました。私たちの強みは、単なる機械翻訳の導入支援だけでなく、AI のポテンシャルを最大限に引き出し、お客様の目的や要件に合わせて、高品質の翻訳コンテンツをお届けできることにあります。 昨年からは、この取り組みをさらに推し進めるために「 多層 AI 翻訳基盤 」の開発を進めてまいりました。これは、単純に文章を訳すだけにとどまらず、コンテンツを内容面・構造面の両方向から高度に分析、文脈を理解し、企業固有の言葉遣い・表記ルールに準拠し、これまでにない高度な翻訳品質を実現する技術です。Web サイトの多言語化に加え、今後は Word や PowerPoint ファイルなど、ドキュメントを活用するシーンにおいてもスピーディかつ高品質な多言語化を実現できる基盤の開発にもさらに力を入れてまいります。 2025 年も、株式会社システートソリューションズは皆様のビジネスをサポートするパートナーとして、AI 翻訳の導入・運用やグローバル戦略推進を全力でご支援いたします。本年も変わらぬご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。 重ねて、皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。 株式会社システートソリューションズ 代表取締役 柳英夫
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